ジーニアス3年 和訳[310]

【ジーニアス3年】Lesson6/Crosscultural Communication【和訳】

このページではジーニアス・コミュニケーション英語3年/Leeson6【Crosscultural Communication】の和訳を載せていますが、学校で習う表現と異なる場合がありますので、参考程度に見てください。

【Genius3】Lesson6/Crosscultural Communication【和訳】

Language and discrimination(言葉と差別)

Section1

異文化コミュニケーションでは、メッセージを伝える言葉の特徴を使うことに関する習慣が違うと、相手の人が意味していることを解釈しにくいことがよくあります。

言葉を使う際の文化的な違いは、少数派の集団の構成員に対する差別や、社会的な不平等につながる可能性さえあります。

異なる社会・文化的な背景を持っている話し手たちの間で交わされた実際の会話を分析した言語人類学者ジョン・ガンパーズによって報告された1つの例がここにあります。

ガンパーズはイギリスのロンドンでのやっかいな雇用問題を伝えました。

イギリスの空港にある職員用の食堂は、インドとパキスタン出身の食事スタッフを、最近、初めて雇いました。

上司もお客さんもどちらも、この新しいスタッフは「無愛想で非協力的だ」と不平を言っていました。

南アジアのスタッフにとっては、差別されていると不平を述べていました。



Section2

何が起きているのかを理解するために、ガンパーズは、お客さんが食堂の列に並んで食べ物を手に入れる間に起きたやり取りをテープに録音しました。

それから、ガンパーズはテープを聞いて、イギリス人スタッフと南アジア出身のスタッフのイントネーションのパターンに、両者の不平を説明するのに役立つ違いがあることを突きとめました。

お客さんが肉料理を選ぶと、スタッフはグレービーソースが必要かどうかを尋ねることになっていました。

イギリス人も南アジアのスタッフもどちらも、「グレービー」と一言言うだけでこの申し出をしていました。

しかし、イギリス人スタッフはこの言葉を上がり調子で言ったのに対して、南アジアのスタッフは下がり調子で言いました。

1つの単語の最後の部分で声の調子が上がるか、下がるかというイントネーションのわずかな違いが、とても違う印象になっていたのです。

イギリス人の耳には上がり調子で言われる「グレービー」は、「グレービーソースになさいますか?」にほぼ言い換えられる質問のように聞こえたのです。

まったく対照的に、下がり調子で言われる「グレービー」は、イギリス人にとっては「はいグレービーソースです。ご自由にどうぞ」にほぼ言い換えられるような発言として受け止められたのです。



Section3

次に、ガンパーズはイギリス人と南アジアのスタッフのどちらにも、お客さんとのやり取りの部分を再生して聞かせました。

南アジアのスタッフの返答は、お客さんに対して失礼な証拠だと、イギリス人の食堂のスタッフは指摘しました。

南アジアの食堂のスタッフは、イギリス人の同僚が差別と偏見をハッキリ示しているのを見つけたと感じました。

イギリス人の同僚と同じことを正確に言っていないとして批判されていたからです。

南アジアのスタッフが自分たちが受けていた否定的な反応を初めて理解したのは、英語教育を担当していた1人の上司が、異なったイントネーションのパターンがどのようにして違った意味に結びついてしまうのかを説明したときのことでした。

実際に、南アジアのスタッフは、イギリス人の同僚の使うイントネーションのパターンが、自分たちの耳には奇妙な感じがしていたことを理解しました。

それと同時に、上司たちは、南アジアの言葉を話す人にとって、下がり調子のイントネーションは、そうした文脈では質問をするときのごく普通の言い方だと知りました。



Section4

小さな言葉の特徴が、意味を伝える際や、個人同士や文化的な集団同士の関係を決める際にどのようにして大きな役割を演じるのかを、この例は示しています。

また、言葉のシグナルに関する習慣の違いが、社会的な不平等や差別を感じ取る一因になったり、社会的な不平等や差別が存在する一因になったりする可能性があることを示しています。

もちろん、言葉の作用は、小数派の集団が差別や社会的な不平等に直面するときに影響する唯一の要素というわけではありません。

あからさまな偏見が役割を演じるのと同じように、経済や政治のような他のたくさんの要素も同じように役割を演じます。

しかし、言葉の要素がたいていは目には見えないし、したがって見過ごされることが多いために、問題になっているのかもしれないと気づいておくことは大切です。



Language, culture and framing(言葉と文化と枠組み)

Section1

人類学者グレゴリー・ベイトソンは動物園を訪れているときに、2頭の幼い猿が遊んでいるのを見て、枠組みという考えを練り上げました。

猿たちは、(動物園に来ている人たちも、)猿が攻撃的に振る舞っている(例えば、お互いにかみ合っている)にもかかわらず、本当に争っているわけじゃなくて、ただ遊んでいるだけだと、どのようにしてわかるのだろうかと、ベイトソンは自問しました。

言い換えると、「遊び」と「攻撃」は、かみつきがどのように解釈されるべきなのかを決める交換可能な枠組みなのです。

かむことは(この行動の文字通りの意味=攻撃)を伝えることもありますが、ところが、かみつきがどのような意味を持つのかを示すメタメッセージ(「これは遊びだよ」)を、その猿たちは同時にお互いに伝えあっていると、ベイトソンは結論づけました。

メタメッセージは、この枠組みの中ではかみつきは本気じゃないとして理解されるような枠組み(お互いにかみ合っているとき、猿たちが行っていたこと)を明らかにします。



Section2

人間同士の会話では、どのような発言でも、その発言がどのように意図されているのか(例えば、文字通りなのか、皮肉っぽくなのか、怒ってなのか、からかってなのかといったこと)を表わすメタメッセージによって枠にはめられます。

メタメッセージは、特定の文脈の中で、特定の方法によって、特定の言葉を話すときに、行っているとその人が思うことを明らかにします。

人間は、声の調子、話すスピード、声の大きさ、イントネーションのパターンなどを含むいろんな言葉の特徴を使って、メタメッセージを明らかにします。

会話で話されるものには必ず、当事者(双方)が話されていることだけではなく、何が起こっているのかを理解するために、どのようにして聞き手が話される言葉を解釈すべきなのかに対する手がかりが含まれています。

例えば、アメリカ英語では皮肉は、平板なイントネーションで示されることがかなりあり、カギになる言葉に強勢を置いて強調されることが結構あります――バスケットボールでゴールを外した後の「ナイスシュート」や、話し手が相手の人が言ったことや、したことに本当は感謝していないときの「ありがとう」のように。

慣用句になっている単語やフレーズは、発言がどのように意図されているのかを示すものとして使われる場合もあります。

例えば、「ねえ、~の話、聞いた?」というフレーズは、冗談がこの後に続くんだろうということをたくさんのアメリカ人に教えてくれることでしょう。

辞書と文法の本を持っている人なら誰でも、言葉が意味しているものは理解できる可能性があるでしょう。

しかし、こうした言葉を解釈する方法を理解するためには、どのようにして言葉の特徴が発言を形作っているのかを知る必要があります。



Section3

枠組みという概念は、言葉と文化が切っても切れない関係だということを示しています――言っていることをどのように意味しているのかを伝えるメタメッセージを明らかにしておかないと、言葉を通じて意味を伝えたり解釈したりすることはできません。

しかも、メタメッセージが明らかにされる方法は、文化によって異なるのです。

例えば、人の集団には必ず、文字通りの意味ではない、文化的な合意に基づくお互いにあいさつを交わす方法があります。

こうした決まりきったことをよく知らない人はだれでも、文字通りにあいさつを解釈する可能性があります。

ビルマでは、日常のあいさつは、「もう食事したの?」です。

ビルマを訪れているアメリカ人が、この質問を受けたとき、お昼に招待されるんだと考えるかもしれません。

そして、彼らの否定的な返答が無視されると、冷たくあしらわれたような気持ちになるかもしれません。

こうしたアメリカ人は、あいさつとしてのこの質問の枠組みを理解していないのです。

典型的なジャワ語のあいさつは、「どちらにお出かけですか?」という質問です。

予想される慣例化している返答は、「ちょっとそこまで」です。

こうしたお決まりのことをよく知らない訪問者は、この「あいさつの」枠組みがわからなくて、「私がどこに行こうが、私の勝手じゃないか」と不思議に思うかもしれません。

ガンパーズが調べた事例に示されているのと同じように、このような誤解は、差別や偏見につながる可能性があります。



Section4

人がお互いに話をするときにはいつでも、言葉を理解し、したがって相手の人が言っていることの文字通りの意味、すなわちメッセージを理解することは、スタート地点です。

しかし、それだけでは十分ではありません。

話されていることを本当に理解するためには、聞き手は枠組を特定するメタメッセージを解釈できなければいけません。

メタメッセージを解釈するためには、その言葉を知っておくだけではなく、(その言葉の背後にある)文化も知っておく必要があります。