このページではエレメント・コミュニケーション英語1年/Leeson7【Biomimetics】の和訳を載せていますが、学校で習う表現と異なる場合がありますので、参考程度に見てください。
【ELEMENT1】Lesson7/Biomimetics【和訳】
Part1
1
バイオミメティクスという分野は、自然の仕組みから学ぶものである。
問題を解決するために、それは自然が何をうまくこなしているかを理解しようとする。
また、新しい科学技術を開発しようという試みでもある。
「バイオミメティクス」ということば自体は新しいが、人々は長年、さまざまな製品を開発するときに使用するアイデアを自然に頼ってきた。
2
例えば野生には、鋭い先端を持った植物の種がある。
森を歩いたとき、服にそのような種がくっつくかもしれないが、それらを取り除くのは難しい。
3
1941年のある日、スイス人エンジニアのジョルジュ・ド・メストラルは、山歩きから帰宅した。
彼は、犬の毛にゴボウの種がくっついているのを見つけた。
それから彼は詳しく調べてみた。
この種が、こうもうまくくっつける理由を知りたかったからだ。
彼は、ゴボウの種には、鋭い先端に小さなかぎ状の突起が付いていることを発見した。
それが、毛や毛皮に簡単にひっかかるのだ。
こうして「面ファスナー」は初めて考案され、発明されたのである。
Part2
4
バイオミメティクスは、環境問題を解決するためにも使われている。
500系新幹線は、独特なデザインをしている。
その長い正面先端部の形には理由がある。
はじめのうちこの車両は、トンネルに入るときに騒音を出していた。
多くの人々が騒音のことで会社に電話してきたため、設計技師たちはそれを軽減するために熱心に研究した。
5
ある日、技師が鳥を見ていて、あるアイデアを思いついた。
それは、車両の先端をカワセミのくちばしのようにとても長くするというものだった。
カワセミは、水中に潜って魚をつかまえるのがとても上手だ。
くちばしの形のおかげで、水から受ける抵抗を小さくして潜ることができる。
同様に、この車両のくちばしのような形は、騒音を引き起こす空気抵抗を軽減するのである。
この新型の新幹線は今では10%速く走れるうえ、使用する電力を15%少なくでき、立てる騒音もはるかに小さい。
Part3
6
アフリカには、ごくわずかな量のエネルギーしか使わない空調設備がある。
この環境に優しい空調設備を備えた建物には、優れた設計の煙突と窓がある。
風が吹けば、この煙突と窓は建物の中から暑い空気を放出する。
また、その壁はさまざまな厚さで作られており、日中の熱を取り込んでおき、夕方になるとその熱を放出する。
7
この設備は、シロアリによって作られた塚という自然の仕組みを模倣している。
アフリカでは、気温が約10度から40度までに変化するが、塚の中の温度は常に約30度のままである。
8
ジンバブエのとあるショッピングセンターは、そのような環境に優しい建物の最も良い例である。
この施設は、この国最大のオフィス兼ショッピングセンターだが、従来のような空調を備えていない。
それははるかに少ないエネルギーで、1年中適切な気温に保たれており、自冷効果のあるシロアリの塚から学んだ設計を利用している。
Part4
9
今日では、ますます多くの科学者たちが、新しい科学技術のヒントを得るために自然に目を向けている。
例えば、砂漠のトカゲの一種を研究している科学者たちがいる。
そのトカゲは、足やとげを通して少しずつ水を飲む。
科学者たちは、このトカゲを研究することで、乾燥した地域で水を得る技術を開発することができると考えている。
同様に、科学者たちの意欲をかき立てて私たちが日々使っている技術を生み出させてきた自然の物体や生物は数多くある。
10
自然を見直してみよう。
自然は、いろいろな仕組みやデザインで、さまざまな問題を解決してきた。
自然の生物たちは、困難な時代を生き抜いてきた。
そのデザインのおかげで何百万年もの間生き抜いてきたものもいる。
自然は、環境を変えることなく効果的な仕組みを作り上げてきた、優れたデザイナーなのだ。
私たちは、このすばらしいアイデアの源を守り、それについてもっと学ぶべきである。
身の回りに隠れた新しい科学技術のヒントを探してみてはどうだろうか。