未分類

【2018課題図書】『わたしがいどんだ戦い1939年』感想まとめ

2018年課題図書の一つ『わたしがいどんだ戦い1939年』の感想をまとめています。ネタバレも含まれますので、読み終わった後に見てください。

わたしがいどんだ戦い1939年

あらすじ

足の悪いエイダは母から疎まれていたが、弟と一緒に疎開したことから、理解者に恵まれ、心を開いていく。少女の戦いを描く感動作

みんなの感想(ネタバレあり)

足の悪いエイダは母親に奇形でみっともないと家に閉じ込められ、暴力を振るわれていた。
戦争が起こり、母親から逃げられることができたエイダ。
逃げた先で教育を受け、人として扱われる彼女は徐々に変わっていく…。
傷つけるのも人なら癒やすのも人。
時代、虐待、そして戦争について考えさせる内容だった。

当時の様子が目に浮かぶように描かれていて夢中になって読めた。疎開先の田舎の風景、馬、人々の暮らし。数年前に訪英した時に、確かにその暮らしは残っていた。主人公の成長、周りの変化、様々なストーリーが交錯した素晴らしい作品。

読んでいてとても辛かった。一歩も外に出さない母、障害児を恥だという母。その戦いと戦争と、弟を思う優しさ、疎開先での出会い、どれも胸を打つ内容だった。

エイダとジェイミー、スーザンの3人がお互いに助け合い、成長する姿に心が熱くなった。 読むと優しくなれる本。

虐待のトラウマを持つ自分自身と、母親と、戦争と。何故こんなに多くのことと戦わなければならないのだろう、と切なくなったが、周囲の人たちの温かさに救われた。エイダ、スーザンの心の変化が見事に描かれている。

足に障害があり閉じ込められて育ったエイダにとっては、毎日母親に罵られることが当たり前で、自由も尊厳もない。感覚として持っていないから、疎開して新しい人や状況との出会いも一筋縄ではいかない。どうしたら非難されずにいられるかばかり頭を使うし、愛されることを望むことさえできない。そんなエイダがスーザンや周りの人たちに少しずつ心を開いていく様子ががとても丁寧に上手く描かれているし、終盤母との戦いは、自尊心の再生を感じて爽快。

虐待、偏見、戦争と重い内容を扱っているのに、何故か引き込まれる作品でした。エイダとスーザン、この二人の距離は縮まりそうで、なかなか縮まらなかった…。エイダに共感したり、反感をもったりしながら、エイダの幸せ願って読み進めました。

物語が進むにつれ、エイダの受けた傷の深さを思い知らされ、何度も息継ぎをしながら読んだ。芯の通ったエイダの生きる力と、スーザン、そして周囲の辛抱強いあたたかさに心をつかまれ、ラストまで目がはなせなかった。